ワイヤーハーネスとは、電気を伝える電線と、その電気を周辺外部に接続して伝達する端子やコネクタを組み立てた部品の集合体のことを示します。
ワイヤーハーネスに使用されるコネクタは、「圧着コネクタ」と「圧接コネクタ」という大きく分けて2種類のコネクタに分類することができます。
今回は、その中の圧接コネクタについて、その特徴と加工方法をご紹介いたします。
圧接コネクタとは?
圧接コネクタとは、導線を保護する絶縁体であるハウジングとコンタクトが一体となったコネクタを指します。
コンタクトがハウジング内蔵されていることによって、圧着が必要なく加工工程がシンプルで、製造が容易です。
ワイヤーハーネスの圧接加工とは圧接用コネクタに圧力を加え電線と端子を接合することを指します。
平型ケーブルとも呼ばれる細いケーブルを複数、平面状に束ねて、帯のようにしたフラットケーブルには直接コネクタの圧接が可能です。フラットケーブル以外の多芯電線の場合は、多芯ケーブルを融着テープ上にフラットかつ等間隔に配置し加熱により固定する融着作業が必要です。
当社では、端子を圧接加工する際でも、品質技術に注意して作業を行うことで、ワイヤーハーネスの品質の維持に努めています。
圧接は圧着と比較し電線を剥ぐ必要がなく、容易な方法ですが、圧着と比較し接触面積が小さいため大きな電流を流すことができないといえます。
圧接コネクタの特徴
圧接コネクタは、圧着コネクタと比較し、下記のような特徴をもっています。
・カシメがないため大電流などの回路には不向き
・上方向の引張強度(保持力)が弱い
・配線が平行回路しかできないので、1-1なのか1-Nなのか配線を決めておく必要がある。
・自由回路設計ができないので自由度がない。
・価格が安い(極数やロット数にもよりますが、1000以上のロットの場合、圧着と比較して圧接を使用すると20%程コストダウンが可能。)
・加工が容易で量産性が高い
上記の特徴からみると、圧接コネクタは、圧着コネクタと比較し、流す電流の大きさや作業性が低いが、価格が安く加工が容易なため限られた製品の量産に適しているコネクタだといえます。
圧接コネクタの加工方法
次に、圧接コネクタの加工方法についてご紹介いたします。
圧接コネクタの圧接方法は3種類あり、コネクタによって圧接方法が変わります。
まず一つ目の圧接方法は、単線圧接と呼ばれる単線を専用の刃型で押す方法です。
単線圧接の特徴としては全自動圧接機で自動で圧接が可能であるということと、全自動で圧接が可能であることから量産性は高いということがあげられます。しかし、他の圧接方法と比較し、段取りに時間がかかってしまうため小ロットにはあまり向いていないといえます。
次に二つ目の圧接方法としてコネクタを電線のピッチに合わせ手動で圧接する方法があります。
この圧接方法で圧接されているコネクタとしてはMIL規格のコネクタなどが挙げられます。
この圧接方法は主にフラットケーブルに使用され、ハンドプレスで手動で圧接します。
手動で圧接するということもあり、大量生産には向かず、小ロット対応向けの圧接方法だといえます。
最後に三つ目の圧接方法としては、e-CONタイプの圧接コネクタが挙げられます。
e-CONとはEasy&Economy Connectorの略称でその名の通り、簡単で手軽に結線ができる圧接コネクタです。
専用工具がなくても簡単に結線でき、配線作業の工数を大幅に削減することができるということが大きな特徴です。
また、このe-CONタイプの圧接コネクタは、センサやPLCなどの結線用のコネクタとしてFA機器業界の業界標準を推進されてる圧接コネクタです。
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今回はワイヤーハーネス加工におけるワイヤーと端子を固定させる方法のひとつである圧接コネクタについてご紹介致しました。圧接コネクタは圧着コネクタと比較し、価格が安く加工が容易ですが、流す電流の大きさや作業性が低いなどの特徴がお判りいただけたかと思います。
ワイヤーハーネス加工センター.comは、標準ワイヤーハーネス加工だけでなく、多回路の組ハーネス加工の製作実績も多く持っていますので、ワイヤーハーネス加工にお悩みの皆様、お気軽に当社にご相談下さい。