技術コラム

ワイヤーハーネスについて

組ハーネス加工とは

組ハーネス加工とは、ハーネス加工の一種です。組ハーネス加工に明確な定義はありませんが、簡単に言うと
・電線をたくさん使用しているワイヤーハーネスを製造する加工方法
・コネクタがたくさん使用されているワイヤーハーネスを製造する加工方法
・結束バンドで電線を束ねているワイヤーハーネスを製造する加工方法
のことです。

ワイヤハーネス加工センター.comを運営する千代田電子工業では、
「コネクタが10個以上、50回路(電線50本)以上で、複数のASSYを組み合わせたワイヤーハーネス」を組ハーネスと呼び、組ハーネスを製造することを組ハーネス加工と呼んでいます。

>>当社の”組ハーネス加工サービス”はこちらから!

MFP(マルチファンクション)用595回路の組ハーネス
595回路の組ハーネス

組ハーネスのメリット

では、組ハーネスのメリットは何でしょうか。メリットとしては、
① ワイヤーハーネスを使用する皆様の手間低減
② 接続間違いなど、ヒューマンエラーの回避
③ 発注管理、図面管理等、管理工数の低減
④ 品質検査工数の低減
⑤ 配線の取り回しが麗で、見栄えがよくなる
などが挙げられます。

① ワイヤーハーネスを使用する皆様の手間低減

組ハーネスは、複数のハーネスASSYを組み合わせた多回路のワイヤハーネスです。多回路のワイヤーハーネスの場合、一本づつ納品させて頂くと、各ワイヤーハーネスを端子等と接続する必要があり相当数の手間がかかります。しかし、組ハーネスを使用することで、上記の手間を低減することが可能となります。

② 接続間違いなど、ヒューマンエラーの回避

ワイヤーハーネスを設備等に配線する上で、作業員の接続ミスの回避が必須となります。ワイヤーハーネスの配線本数が多くなると、その分ヒューマンエラーが発生しやすくなりますが、組ハーネスであればお客様内での配線本数が減るため、ヒューマンエラーの回避につながります。

③ 発注管理、図面管理等、管理工数の低減

ご存知のとおり、一台の設備や装置において、何百本~何千本以上のワイヤーハーネスが使用されます。そのため、購買担当者の皆様の発注回数が多くなったり、設計者の皆様については図面管理枚数が増えたり、管理工数が多くなってしまいます。組ハーネスを使用することで、発注回数を低減し、図面管理枚数も減るため、大幅な管理工数低減を実現できます。

④ 品質検査工数の低減

③と同様に、品質検査をお客様内で行う場合に、品質検査工数の低減が可能となります。

①-④に関しては、総じてハーネス原価の低減につながります。

⑤ 配線の取り回しが綺麗で、見栄えがよくなる

一本づつ納入される複数のワイヤーハーネスを現場で組み立てる場合、配線が煩雑となり、取り回しが麗にできないことがあります。また、配線は作業者の技術に起因する場合が多く、作業者ごとで配線品質が標準化できないといったこともございます。組ハーネスを用いることにより、複数のワイヤーハーネスが組まれた状態で納入されますので、配線が麗となり見栄えが良くなります。配線が麗であるため、機器内部のアフターサービスもしやすくなるといったメリットもございます。

組ハーネスのデメリット

組ハーネスは長く大物になるため、設備や備品に引っ掛ける等のリスクがあり、取り扱いに注意が必要です。この点は、組ハーネスのデメリットといえます。

組ハーネスの製造

組ハーネスの製作は人的作業により行われます。ワイヤーハーネスの多数のサブアッシーを製作した後、専用の組立ボードに乗せて、組付けていきます。
組ハーネスは長く、そして多回路であるために、組ハーネスの内側・外側で寸法が変わるため寸法精度を出すのが難しいとされています。そのため、正確な数値出しと作業者のノウハウ・技術が必要になる加工方法といえます。また、組立順序が適切でないと、完成した組ハーネスの外観や寸法精度が悪くなるため、適切な組立順序を策定し加工することが重要です。

組ハーネスに使用される部品

組ハーネスは、一般的なワイヤーハーネスと異なり、多数の部品が使用されます。通常のワイヤーハーネスにも使用される部品も含め、下記致します。

【組ハーネスの部品 (一部)】
コネクタ、電線、端子、実装基板、スイッチ、板金、フェライトコア、結束バンド、チューブ、テープ、端子台、ケーブルベア、センサー(温度センサー等)など

当社の組ハーネス加工事例

当社では、1000回路以上の組ハーネス加工が可能です。これまでの加工実績をご紹介します

医療用分析器向け807回路の組ハーネス

医療用分析器向け807回路の組ハーネス

医療用分析器向けに全長2700mm、807回路の組ハーネスを製造した事例です。10本/月の小ロット生産に対応しております。
LANケーブルなどのインターフェースケーブルも組み込む複合ハーネスとなります。通信用ケーブルでありノイズによる影響を受けやすくフェライトコアを適切な箇所に使用し、ノイズ対策を行っております。
結束数が696か所であり圧着コネクタ接続が多く必要でしたが、自動化設備を駆使し顧客要望の短納期で納品させて頂きました。

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MFP(マルチファンクション)用595回路の組ハーネス

MFP(マルチファンクション)用595回路の組ハーネス

OA機器に用いられるMFP(マルチファンクションプリンター)用の組ハーネスを製造しました。回路数は595回路、全長2600mmの多回路ハーネスです。130台/月の量産対応をしています。ディスクリート線を使用し、圧接コネクタで2/3、圧着コネクタ1/3の回路を接続しています。

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医療用分析器向け全長3600mmの組ハーネス

医療用分析器向け全長3600mmの組ハーネス

医療用分析器向けに全長3600mm、130回路の組ハーネスを製造した事例です。ディスクリート線を使用した組ハーネスとなります。端子・コネクタ・ケーブルだけではなく、端子台も組み込んでいます。3600mmと全長が長く要求精度±15mmの精度を出すのが難しい事例ですが、独自のハーネス設計システム及び熟練した作業者による補正作業で要求精度をクリアしています。

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>>その他の組ハーネス加工事例はこちらからご確認頂けます!

組ハーネス搭載事例

組ハーネスの加工事例をご紹介させて頂きましたが、ここからは組ハーネスの搭載事例をご紹介します。

以下は券売機用の285回路組ハーネスです。


こちらの組ハーネスを券売機に搭載することで、組立現場での配線の手間が軽減され、さらに配線ミスというヒューマンエラーの発生を回避しました。



組ハーネス加工は当社にお任せください!

組ハーネス加工についてご理解いただけましたでしょうか。組ハーネスはメリットの多いワイヤーハーネスです。多様なワイヤーハーネスを使用しており作業の手間削減、効率化をご要望の皆様、お気軽に当社に御相談ください。

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ワイヤーハーネス加工センター.comを運営する千代田電子工業株式会社は、1,350台のアプリーケータを保有する国内有数のワイヤーハーネス加工メーカーです。
充実した設備と、1969年の創業以来培ってきたノウハウ・知見を持って高品質なワイヤーハーネスの試作、量産に対応させていただきます。