ワイヤーハーネスとは、電気を伝える電線と、その電気を周辺外部に接続して伝達する端子やコネクタを組み立てた部品の集合体のことを示します。
今回は、ワイヤーハーネスの構成部品の一つである端子とコネクタについてご説明致します。
端子とは
端子とは、ワイヤーハーネスの接続部となる構成部品で主要素材は銅です。
端子は圧着端子が主流です。圧着端子とは、ワイヤーと電気機器を接続するための部品です。ワイヤーと端子に圧力をかけることで固定・定着させることから圧着端子と呼ばれます。種類も多種多様にありますので、用途によって使い分ける必要があります。
圧着端子は形状と圧着方法からオープンバレル系とクローズドバレル系に分類されます。
端子圧着部の形状が筒状である圧着端子をオープンバレル系と呼び、丸型圧着端子で、棒型、ブレード型、Y型などの形状が代表的です。一方で、端子圧着部の形状が筒状ではなく開いている圧着端子をクローズバレル系と呼び、通常はオスとメスに分類されます。
圧着端子の種類について
圧着端子には用途別に多種があります。特に今回は主に4種類についてご紹介します。
①丸型圧着端子
丸型圧着端子とは、先端が円形状になっているのが特徴で、円の真ん中にビスを入れて端子台に締め付けます。ネジが緩んでも完全に外れない限りは抜けることが少ないため、複数の端子を1箇所に接続することも可能です。また、丸形圧着端子はjis規格に認証されているために、品質保証が十分にされています。サイズは6φと8φが一般的で、適合する配線の太さは6φが0.5~2.5スケアに対し、8φは3~5スケアです。
②Y型圧着端子
Y型圧着端子とは、先端がY形状になっているのが特徴で、Yの凹の部分にビスを入れて端子に締め付けます。接続時にネジを外さずに接続出来るため、作業時間を短縮することができます。しかし、締め込みが緩かった場合には端子が抜ける場合があります。
③棒型圧着端子
棒型圧着端子とは、先端が『棒』のように長細くなっているのが特徴です。先端が棒状になっているために、接合部に差し込む形で圧着します。
④絶縁被覆付圧着端子
絶縁被覆付圧着端子とは、先端が丸型、Y型、棒型と様々な形状をしており、特徴としては圧着する前からスリーブと呼ばれる絶縁カバーが端子の根本についていることです。この絶縁カバーが最初からついている点において、大量生産をする際には作業時間の短縮に貢献します。
圧着端子の呼び名について
圧着端子は組み合わせごとに呼び名がついています。
表記の順番としては「圧着端子の種類・電線の太さ・ビスの太さ」となります。圧着端子の種類として、丸型圧着端子はR、Y型圧着端子はY、棒型圧着端子はTCとそれぞれ呼称がついております。例えば、丸型圧着端子で電線の太さが1.25m㎡、ビスの太さが3.00m㎡の場合にはR1.25-3と表記されます。
コネクタとは
コネクタとは、ワイヤーハーネスの接続部となる構成部品で、端子にハウジングしたものを指します。
一般的にオス側とメス側の2つの部分から構成され、それらを接続することで電気信号の伝達を可能にします。そのコネクタを構成する部品は、一般的に電気を導通させる金属部分とその周りの樹脂モールドやプラスチックなど非導電性材料を使用した部分に分けられます。
コネクターの接続形態に関しまして、
- 電線と電線を接続するもの
- 電線と回路基板を接続するもの
- 回路基板と回路基板を接続するもの
上記3つに大きく分類することが出来ます。
コネクタの規格について
コネクタの規格としては、主に大きく2つに分類されます。
- DIN41612規格
DIN規格はドイツ工業会規格であり、欧州を中心に作成した国際標準規格となります。 - MIL-C-83503規格
MIL規格は米軍規格であり、過酷な条件下での使用に耐えうる製品であることの裏付けするための耐環境性の規格となります。 - IEC61076-4-101規格
IEC規格は世界規格であり、国際電気標準会議が定めた電気および電子技術分野の国際標準規格となります。
コネクターの使用で注意すべきこと
- 挿抜回数
コネクタは繰り返し挿抜できる限界回数が有ります。電線と回路基板を接続形態では、電源系であると挿抜回数は30回程度であるのに対して、信号系であると挿抜回数は50回程度とそれぞれ違いがございます。 - コネクタの選定
コネクタは規格通りのものを選定しないと、不適切な電力と電圧を導通してしまうと大きな故障の原因となります。コネクタのサイズよりも配線のほうが細いと、コネクター内に芯線まで届かず通電しません。一方でコネクターのサイズよりも配線のほうが太いと、コネクターが閉まらず破損してしまう恐れがあります。
ワイヤーハーネスのことなら、ワイヤーハーネス加工センター.comにお任せください。
ワイヤーハーネスの構成部品の一つである端子とコネクタについてご説明いたしました。
ワイヤーハーネス加工センター.comは、標準ワイヤーハーネス加工だけでなく、多回路の組ハーネス加工の製作実績も多く持っていますので、ワイヤーハーネス加工にお悩みの皆様、お気軽に当社にご相談下さい。