技術コラム

ワイヤーハーネスについて

ワイヤーハーネスの構造について

電力や電気信号を送るために、機械には必ず用いられるワイヤーハーネス。
今回は、ワイヤーハーネスの構造について、ご説明致します。

ワイヤーハーネスの構成

ワイヤーハーネスは、主に端子・コネクタ・電線で構成されています。端子のみを用いてコネクタを用いない場合もありますので一概には言えませんが、主に上記の3つの部品が使用されます。

また、端子・コネクタ・電線以外に、電線を束ねる結束バンドや、電線を保護するチューブ、ノイズ対策のためのフェライトコアなどが使用される場合があります。

ワイヤーハーネスを構成する各部品について

ワイヤーハーネスを構成する部品について、ご説明します。
ここでは、端子・コネクタ・電線というメインの部品だけでなく、結束バンドなどの付随部品についても説明します。

端子

端子とは、電線を接続するための金具です。ターミナルとも呼ばれます。電気信号や電力を入力・出力する際、電線だけでは安定的に信号が送れないので、端子を用いて電気信号を介在します。

端子には、先開形、棒型、丸形、CB形など様々な形状があります。
また、端子は主に銅を用いて製造され、メッキが施されています。メッキの種類二は、金メッキ、銀メッキ、スズメッキなどがあります。電気導電性や耐食性という点から使用されるメッキは異なってきます。圧着端子は形状と圧着方法からオープンバレル系とクローズドバレル系に分類されます。

端子圧着部の形状が筒状である圧着端子をオープンバレル系と呼び、丸型圧着端子で、棒型、ブレード型、Y型などの形状が代表的です。一方で、端子圧着部の形状が筒状ではなく開いている圧着端子をクローズバレル系と呼び、通常はオスとメスに分類されます。

コネクタ

コネクタとは、端子同様に、電気信号や電力を入力・出力するために介在する部品です。電線の先端に取り付け、電子機器と接続します。端子を圧着した後にコネクタを取り付ける場合と、端子を用いずに電線に直接とりつける場合があります。

コネクタには、角型コネクタハーネスや丸形コネクタハーネス、ナイロンコネクタハーネス、同軸コネクタハーネスなど様々な種類がありますが、各種メーカーによってコネクタの分類は様々です。

コネクタには規格があります。最も有名なコネクタ規格が、IEC61076-4-101規格です。IEC規格は、コネクタ以外にも用いられる国際標準規格となります。その他、ドイツ工業会規格のDIN41612規格や米軍規格であるMIL-C-83503規格があります。

電線

電線とは、電力や電気信号を伝送するための線状の部材です。
ワイヤーハーネスに用いられる電線の素材は、銅が大半を占めます。これは、銅の電気抵抗率が低く、電気を通しやすい材質であるためです。電線の両端に、端子もしくはコネクタが接続されワイヤーハーネスとなります。

電線には、UL規格やCSA規格といった規格があります。UL規格はアメリカ保険業者安全試験所が策定する安全規格であり、CSA規格はカナダ規格協会が作衛する認証規格です。UL、CSAの認証を受けた電線をワイヤーハーネスに使用しています。

また、電線径についても、規格で定められています。
UL規格に基づいたAWGとJIS規格に基づいたSQです。

結束バンド

結束バンドとは、ワイヤーハーネスを結束するための部品です。
一般的には、ナイロンやポリプロピレンを材質とした結束バンドが使用されます。
機械外を通る結束バンドの場合は、ステンレスを材質したい結束バンドが用いられる場合もあります。また、食品機械に使用される場合、異物として結束バンドが混入した際、金属検出器にて検知できるように、鉄系成分を含んだ結束バンドが使用されることもあります。

チューブ

チューブとは、ワイヤーハーネスを覆って、保護するための部品です。
チューブには、塩化ビニールなどの合成樹脂が用いられることが一般的です。耐熱性や耐摩耗性、耐電性などが求められ、わやーハーネスだけでは要求仕様を満たせない時、チューブが用いられます。また、信号名を印字して銘板として用いることもあり、幅広く使用されています。

フェライトコア

フェライトコアとは、ワイヤーハーネスに巻くことでノイズを除去する部品です。
棒状の物や円環状の物など、様々な種類があります。フェライトコアはその名前の通り、フェライトを用いて製造されます。フェライトは酸化鉄、コバルト、ニッケルやマンガンを焼結した磁性体でノイズを除去する千力を持ちます。ノイズが電気信号に乗ると、想定の動作を得られず不具合に繋がるため、ワイヤーハーネスにフェライトコアを巻くことが多くあります。

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ワイヤーハーネスの構造についてご理解頂けましたでしょうか。ワイヤーハーネスは、主に端子・コネクタ・電線の3部品から構成されますが、端子・コネクタの選定にはノウハウや経験が必要となります。

ワイヤーハーネス加工センター.comは、標準ワイヤーハーネス加工だけでなく、多回路の組ハーネス加工の製作実績も多く持っていますので、ワイヤーハーネス加工にお悩みの皆様、お気軽に当社にご相談下さい。

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