ワイヤーハーネスとは
ワイヤーハーネスとは、電気を伝える電線と、その電気を周辺外部に接続して伝達する端子やコネクタを組み立てた部品の集合体のことを示します。複数の電線を結束帯やチューブ等でまとめて、端子の部分に複数の電線を一度に接続することのできるコネクタを取り付け組み込む機器や機械に固定するためのフック等を付属する場合もあります。
ワイヤーハーネス加工とは?
ワイヤーハーネス加工とは産業機器や設備等のあらゆる部位に効率よく電源供給をすることために電線や端子やコネクタを加工することを指します。
ワイヤーハーネスは一般的に図面に記された情報をもとに電線の先端に圧着端子やコネクタを接続し、重ねることや束ねることや保護をするといった方法で加工されます。ワイヤーハーネスは、産業機器や自動車、医療機器等の業界の機器に使用されますが、その使用箇所によって加工の幅が広いと言われております。
ワイヤーハーネス加工工程
先述のようにワイヤーハーネスの加工はその使用箇所によって幅広いと言われていますが、その加工工程は大きく分けて以下のように分類分けすることが出来ます。
- 1:シース剥き等の前処理
- 2-1:圧着加工
- 2-2:圧接加工
- 2-3:はんだ付け
- 3:配線・結束
1:シース剥き等の前処理
一般的なワイヤーハーネス加工の工程で一番初めの工程は電線切断工程です。
電線は通常、束巻またはドラム巻の状態で納入されてきます。後の工程で端子やコネクタを電線に接続させるため、まずは電線を必要な長さに切断します。必要な長さは、後の工程で端子やコネクタを接続するための加工部位の長さ、束ねることによるの長さによって変わりますので、後工程を考慮して決定することが重要です。
電線の切断はケーブルカッター等の工具を用いて手作業で切断する手動方式と、自動ケーブル切断機を使用し機械により切断する自動方式があります。少量多品種のような場合は、ケーブルカッターを用いた手作業での切断を、大量生産の場合には自動ケーブル切断機を使用した自動切断を選択します。
ここで電線の切断においては、多芯線の場合には外部被覆(シース)を剥いて、単芯線を露出させる手順がございます。電線の太さに応じて、カッターやニッパー、またはストリッパーといった専門工具を使用して外部被覆を剥きます。シールド付きや介在が含まれる電線の場合は、シールドや介在も切断して単芯線のみを露出させます。また、両端部を保護するチューブやキャップをあらかじめ電線に挿入します。この段階で挿入しておかないと後に挿入できなくなることがあります。
次に露出させた単芯線の先端部の被覆を剥いて、銅線を露出させます。電線の被覆は人力でおこなう手動方式と、機械により切断する自動方式があります。手動方式ではストリッパーを利用します。自動方式では皮剥き機を利用します。自動方式の方が品質を安定させる事ができ作業効率も高いです。
以上、1の工程が終了しましたら、下記の2-1,2-2,2-3いずれかの方法で端子やコネクタを電線の先端部に接続します。
2-1:圧着加工
露出させた銅線部に図面に指定された端子を圧着します。
圧着とは端子と銅線部の接続部分に物理的な圧力を加え成形し、銅線と端子を密着させて電気的に接続する技術です。圧着は人力でおこなう手動方式と、機械により切断する自動方式があります。
手動方式も自動方式も電動式や空圧式、油圧式など様々な方式の専門工具があります。また、端子の形状に合う歯形が必要です。圧着した端子をコネクタに挿入する必要がある場合は、図面に従ってコネクタの正しい箇所に端子を挿入します。
2-2:圧接加工
圧接は圧接用コネクタに圧力を加え電線と電気的に接続する技術です。
フラットケーブルには直接コネクタの圧接が可能です。フラットケーブル以外の多芯電線の場合は、多芯ケーブルを融着テープ上にフラットかつ等間隔に配置し加熱により固定する融着作業が必要です。
2-3:半田(はんだ)加工
半田加工とは端子やコネクタと銅線部に熱して液化した半田を溶かし込み、電気的に接続する技術です。半田作業では結線部に熱を加えすぎると部品が焦げたり変形したりするため注意が必要です。
3:配線と結束
複雑な組配線の場合は切断された電線を図面に従い1本ごとに配線します。
電線の行き先は分岐点数に依って多岐にわたるため、ベニア板に配線の分岐点となる箇所に釘を打って配線をおこなうと効率的です。配線が終わったら結束バンドやテープ、チューブで束ねて固定します。
一般的なワイヤーハーネスの製造工程を動画で解説!
①ハウジング挿入 ②組み込み ③結束の3工程を動画でご紹介しています、是非ご確認ください。
ワイヤーハーネスの検査工程について
ワイヤーハーネスの製造の後、必ず検査が発生します。検査工程については以下の記事にてご紹介していますので、ご確認ください。
>>ワイヤーハーネスの検査工程
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今回はワイヤーハーネス加工とその加工工程についてご説明いたしました。
ワイヤーハーネスの加工では、その使用する機器やロット数・仕様によって加工方法を変える必要があることがお分かりいただけたかと思います。
ワイヤーハーネス加工センター.comは、標準ワイヤーハーネス加工だけでなく、多回路の組ハーネス加工の製作実績も多く持っていますので、ワイヤーハーネス加工にお悩みの皆様、お気軽に当社にご相談下さい。